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 気をつけてはいますが万が一ミスを発見した場合は見なかった事にしてください。

 


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 第一章:日常想果U

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 結局あの後の帰り道では散々愚痴を言われた挙句荷物を持つ事に。

 お陰様で朝から両腕筋肉痛という最悪のコンディションだ。


 「あら・・・今朝はやけに起きてくるのが早いわね咲夜?」


 学校へ行く仕度を整えてからリビングに向かう。

 すると既に朝食を食べ終えたのだろうか里桜姉さんがお茶を楽しんでいた。


 現在の時刻はまだ六時を指したところ。


 普段はこんな時間に起きないので見知らぬニュースが静かに流れている。

 しかしよくこんな時間に里桜姉さんは起きる気になるな。

 正直学校に間に合わせるだけであれば後一時間は長く寝られるのに。


 とりあえずお茶を淹れて新聞を手に取り椅子に座る。


 ちなみに俺は紅茶派だから。

 というか里桜姉さんが紅茶しか飲まないのでそれが移ったというか。

 そもそも家に紅茶しか無ければ選択肢というものは発生しないんだけどさ。

 新聞にはいつも通りと感じざる得ない出来事が並んでいる。

 雪村グループが新しい建物を建てたとか遠い場所で殺人が起きたとか。

 まぁ特別目を引くような情報は今日も無さそうだ。


 「咲夜・・・貴方まさか何も食べない気じゃ無いでしょうね・・・」


 新聞を斜め読みしていたとき不意に里桜姉さんがそんな事を言ってきた。

 俺の手元には相変わらず湯気の立つ紅茶。


 「ええ・・・まぁ・・・」


 正直これだけで俺の空腹は満たされるんだよな。

 というかそもそも食自体に興味が無いというか面倒臭いというか。

 少なくとも朝は紅茶一杯で十分満足出来るから朝食を摂る必要は無い。


 「貴方・・・朝食はきちんと摂りなさいと言っているでしょう!!」


 それは昔から散々言われ続けてきたことだ。

 両親が死んでからは俺にとって姉さんは親兼姉みたいなものだったから。 

 しかし要らない物は要らないんだから仕方が無いのも事実。


 「でも・・・朝から里桜姉さんみたいにモリモリ食べれないよ・・・」


 俺とは対照的にバクバク食べる姉さん。

 これだけしっかり食べていれば出るところ出そうなものなんだけど。

 とかいう感想を少しだけ頭の中に構成したとき。


 「咲夜・・・死にたいの・・・?」


 不意に里桜姉さんの声色と視線が変わる。

 それと同時に俺に対して放たれる透明かつ純粋な殺気。

 とりあえず状況が全く理解出来ないのでうろたえるしかないんだが。


 「私前に言ったわよね・・・」


 段々死期が迫ってくるような来ないような。

 しかし相変わらず里桜姉さんからは黒いオーラが出ている。

 とりあえず何で朝っぱらからこんな修羅場を迎えているのか考えねば。


 そんな時本当にたまたま俺の脳裏を過る先ほどの文章。


 『これだけ食べていれば出るところ出そうなものなんだけど』

 『食べていれば出るところ出そうなものなんだけど』

 『出るところ出そうなものなんだけど』


 もしかしてやっちまったのだろうか。

 いやでも実際に言葉に出したわけじゃないんだけど。


 「うふふ・・・胸が小さくて悪かったわね咲夜!!」

 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!」


 なんという理不尽な世界なんだ。

 しかし俺の弁護は一切聞き入れられずに袋叩きにされたのだった。

 大体こんなに朝早くからなんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ。


 「違う!胸じゃない!お腹!お腹だってば!!」

 「余計駄目でしょうが!!」

 「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」


 こうして一之瀬家には悶絶するような悲鳴が響いたという。

 当然のように学校には遅刻した。


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